健太の住む地域の福祉

 今、健太は自宅で普通に生活しています。これは、健常者にとってはごく当たり前のことなんですが、健太は、たくさんの方たちの協力を得て成り立っています。


 在宅に移る前、病院の会議室でミーテングが行われました。
 参加者は、小児科の医師、看護師長、主任、当時の健太担当看護師、訪問看護師長、健太担当訪問看護師、保健所の保健師とその上司、地域の保健師とその上司、そして近藤家の両親と祖父母でした。
 かなりの大人数で病気の説明からはじまり、在宅についての理解と協力をお願いし、その方向へ向かう顔合わせでもありました。
 今では慣れた顔ぶればかりですが、当時はすごく緊張しました。話が進むにつれ、かなり厳しいことを言われたりもしましたが、健太1人のためにこんなに沢山の方が集まって話し合いをしてくれたことに感謝し、涙があふれてきました。
 今までは、病院中心で回っていたのが、自宅に帰ることによって、家族が中心になり、その周りに地域の福祉がといった形に変わってくる。もちろん病院も今まで通りサポートしてくれます。今までの生活と少し変わった生活がはじまり、心配してたくさんの関係者が次々に訪れる・・・はじめの頃は、この緊張感に耐えられなくなり徐々に回数を減らしたり、拒んだりしたこともありました。それにもめげず、地域の保健師さんは連絡をとってくれ、だんだん気さくに迎えられるようになりました。この時、わたしの心の扉が開いたのでしょう。最初にお世話になった中井保健師さんが産休に入り、前田さんと出逢った。彼女のパワフルな行動力にたくさんの力をもらい、地域の福祉にいろんなことをもちかけたりしてくれた。ここ数年、何か困ったら「前田さん」となり本当によくしてくれる。近藤家の身内だったっけ?と勘違いするほど親身になって在宅生活をより良いものに変えてくれた。前田さんを通じて、またたくさんの人たちとも知り合う。外出支援、支援費制度これで、菊池ケアマネージャーさんとも出会う。
 私自身生活が慣れたからでしょうか、初対面の方との面会もイヤじゃなくなってきている。ヘルパーさんもお願いすることになった。そして、健太に関わってくださる方、みーんなが健太のことを心から心配し、真剣に「健太のために何をするべきか、何がしてあげられるのか?」と考えながら接してくれていることがよく伝わってきます。
 自分の住んでいる地域に、これだけの福祉が存在することに感謝します。

ほっとファミリー

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