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軍港めぐり&記念艦「三笠」

日時:平成15年7月26日(土)
場所:三笠公園(横須賀市稲岡町82)


第一部軍港めぐり編

 三笠桟橋からの猿島航路を運営するトラアングルは、ゴールデンウィークと夏休み期間の土日祝日に、横須賀港内を周遊する「軍港めぐり」を運行しています。
1日1便で、運行時間は13:00〜13:55。結構人気があるので要予約。
軍港めぐりhttp://www.sarusima.com/gunkoumeguri.html猿島航路トライアングル

↑三笠桟橋から見た「三笠」

 現在の横須賀港は、旧帝国海軍の港湾施設の主要部分を米海軍が使用しており、在日米海軍司令部が置かれ、米第7艦隊の基幹をなす空母キティ・ホークや旗艦ブルー・リッジなどの母港となっています。

↑船上から「三笠」
↑海自の消磁所。ここで艦艇の帯磁気を測定し、対応する電流を流し打ち消す。磁気機雷対策として。↑海鳥がとまっています。
↑CV63空母キティ・ホーク。イラク戦争より帰還して、6号船渠に入渠中。
■艦名はライト兄弟が有人動力飛行に成功した地名に由来。同型艦コンステレーション、ジョン・F・ケネディ。
現在米海軍の保有する3タイプ13隻の空母のうち、本級3隻は通常動力空母。

国外に母港を置く唯一の空母であり、2008年までの駐留が予定されている。搭載機数は約74機。
■搭載される飛行隊は、厚木基地の第5空母航空団(CVW-5)。こちらも10個ある航空団のうち唯一の外国駐留部隊。
↑ブルー・リッジ(左)とカーティス・ウィルバー(右) ↑アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦DDG54カーティス・ウィルバー
↑第7艦隊旗艦を務める揚陸指揮艦LCC19ブルー・リッジ。物資搬入中。
■艦種は揚陸指揮艦であり、本来は複雑化する両用作戦(上陸作戦のこと)を指揮するために建造された。
電波障害を抑え通信能力を高めるため、艦上構造物を最小限に止めている。武装は近接防御火器20oCIWS2基のみ。
その優れた指揮管制能力を買われ、1979年から艦隊旗艦の任に就いている。第7艦隊の担当エリアは西経180度の
日付変更線付近中部太平洋から西はインド洋、南は南極までと広大であり、その指揮をカヴァーしている。
■2番艦LCC20マウント・ホイットニーは大西洋艦隊第2艦隊旗艦となっている。
↑タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦CG63カウペンス(左側)とCG62チャンセラーズヴィル(右側)。
カウペンスは独立戦争の、チャンセラーズヴィルは南北戦争での戦場名。タイコンデロガ(CG47)も独立戦争の戦場名にちなむ。
スプルーアンス級駆逐艦の船体設計を流用して建造されたイージス・システム搭載艦。27隻が就役。
■イージス・システムとは、大多数の空中脅威目標に対する
同時処理能力を備えた画期的な防御システムのことである。
8角形のフェーズド・アレイ・レーダーを4面に備え、1面当り4千個
以上内蔵されている電波放射素子を電子的に制御、水平線から
天頂までを極めて高速に走査し、200以上の目標を同時追尾できる。
実際の迎撃は対空ミサイルが行うが、その誘導を行うのが、
イルミネーターと呼ばれる目標照射機である。各艦に2〜4基しか
備えられておらず、中間誘導は事前の情報入力による慣性飛行で、
最終誘導のみ行う。
■イージス・システムとは、これらレーダー、武器システムだけでなく、
各種センサー、戦術情報処理などを総合した体系の総称である。
■なおイージス(Aegis)とは、ギリシャ神話に登場する、戦の女神
アテネが持つ盾のこと。
↑フェーズド・アレイ・レーダー ↑イルミネーター
↑スプルーアンス級駆逐艦DD975オブライエン
本級は31隻就役したが、アーレイ・バーク級の増強に伴い、
すでに13隻が退役している。
↑オリヴァー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲイトFFG48ヴァンデグリフト
見難いがその奥に同級のFFG51ゲアリィがいる。
写っていないが右側は海自の潜水艦バースとなっている。

 以上が停泊中だった米海軍艦艇。
次期によって入れ替わりもあるが、横須賀を母港とする艦艇は11隻。
大抵の場合、これらを中心にキティ・ホーク基幹のバトルグループ(空母任務群)が編成される。「不朽の自由」作戦にも参加。

 三笠桟橋から米軍施設のある半島部分を左に見て回り込み、横須賀本港の向かい側へ向かう。
横須賀地方総監部や、護衛艦の停泊する吉倉桟橋のある吉倉地区である。

↑補給を受ける補給艦AOE421さがみ。艦名は「相模湖」から。 ↑今年就役したばかりのDD111おおなみとDD110たかなみ。
↑海洋観測艦AGS5104わかさ(左)とAGS5105にちなん(右) ↑「わかさ」より一回り大きい「にちなん」。最新鋭ハイテク海洋観測艦。

 横須賀警備隊、横浜ベイスターズの室内練習場などを左手に見ながら、荒井掘割り水路を抜けて長浦港へ。
吾妻島(水路掘削による人工島)を挟んだ長浦港側には、横須賀海上保安本部の他、船越地区には海自実働部隊の各司令部があり、船越桟橋には護衛艦が停泊…のハズが演習でほとんど出払っていた。

↑特務船か何か。マイナー過ぎてわからん。 ↑海洋観測船AGS5103すま。海洋観測船は海洋業務群の所属。
↑交通船。YF2122か。艦艇、基地間の人員輸送支援を行う。 ↑米海軍の航空機用燃料貯蔵所。
↑自衛艦隊、護衛艦隊、潜水艦隊などの司令部がある。 ↑横須賀市リサイクルプラザ「アイクル」(ホームページ
↑海洋科学技術センター・横須賀本部(ホームページ ↑猿島(ホームページ

 約1時間のクルージングだが、この日は太陽に照り付けられることも無く、船内アナウンスも丁寧に案内してくれて、なかなか楽しめたのであった。
惜しむらくは空母がドック入りしていたことと、停泊艦艇が少なかったことか。

さて、三笠桟橋から再上陸、次は記念艦「三笠」である。

第二部「三笠」日本海死闘編へ続く


(平成15年8月16日作成)

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